いつもマユコ助産所のブログをお読みいただき、ありがとうございます。
この度の熊本地震でお亡くなりになられた方々に、心よりお悔やみ申し上げます。また、被災された皆様にお見舞い申し上げます。そして救助や支援にあたられている皆様に、心から感謝いたします。
震災の中、新しい命が誕生したという投稿を拝見しました。
大きな不安の中で出産されたお母さん。生まれてきた赤ちゃん。そして、そのお産を支えた産科医療チームの皆様。
どのようなお産だったのだろう。
もし私がその場にいたら、何を感じ、どんな言葉をかけただろう。
そんなことを考えました。
非常時だからこそ、目の前の命のために余計なものが削ぎ落とされ、「この命を守る」という思いで、母子、ご家族、医療者がひとつになったのではないかと想像します。
私は普段のお産でも、赤ちゃんが生まれる時には不思議な力が働くように感じています。
命を産み出すお母さんと、生まれ出ようとする赤ちゃん。
その二人のエネルギーが重なり、お産が始まる。
そして家族は、赤ちゃんを中心にして、ふわっとひとつになっていきます。
私の中では、ランタンに温かな灯がともるようなイメージです。
真ん中に赤ちゃんがいて、その周りをお母さん、お父さん、きょうだい、ご家族が囲んでいる。
赤ちゃんが生まれるとき、家族もまた新しく生まれていくのかもしれません。
お産が近づくと、家を片づけたくなったり、なぜかパートナーとぶつかったりすることもあります。
これまで大切に握ってきた価値観や習慣。
「こうでなければならない」という思い。
夫婦のこと、自分の親とのこと、不安や怖さ。
お産の中で、それらをひとつずつ手放していく女性を私は何度も見てきました。
「もう産むしかない」
そう腹をくくった瞬間、それまで「無理」「できない」と弱音を吐いていた女性の表情が変わることがあります。
そして赤ちゃんを産み終えたとき、
「やった。私、できた」
という自信が生まれる。
私は、その瞬間が大好きです。
お産では、取り繕っていられません。
痛い、怖い、嫌だ、そばにいてほしい。
本当の気持ちが出てきます。
ひとつ本音を出せると、自分の気持ちに嘘をつかなくなっていく。
だから私は、お産は赤ちゃんを産むだけではなく、女性が自分自身の力を知っていく時間でもあると思っています。
そして私自身も、お産に立ち会うたびに赤ちゃんから教えてもらいます。
決めつけないこと。
待つこと。
信じること。
そして、自分のこだわりを手放すこと。
生まれてくる赤ちゃんは、小さな身体で、たくさんのことを私たちに伝えてくれます。
今日もまた、その命から学ばせてもらえることに感謝して。
ありがとうございます。